●過去だより776〜800
2013.4.6(土) 23:10 800 特別な光景
【イラスト制作部】『時空ツアーズ』の初音ミク動画用に描いたイラスト4枚のうち3枚を追加しました。ひと月で4枚もカラーイラストを描くのは、管理人にしてはとても珍しいことです。よろしければご覧くださいませ(→イラスト制作部・2013年)。
*
【日録】3月の最終週からある行事の練習が始まり、5月末までは私生活が崩壊した日々を送ることになってしまいました。
そして別れの感慨に充分耽ることも叶わず、いつの間にか新年度が始まり、桜の季節がやって来ていました。
Nikon D800・AF-Sニッコール24-120mm f/4G ED VR(105mmで撮影)・ISO 110・絞りF4・AE
4月4日。近所の桜並木が夕焼けに染まっていました。ここに住む者だけに許された、特別な光景。
Nikon D800・Aiズームニッコール80-200mm f/4.5(200mmで撮影・DXクロップ・トリミング)・ISO 250・絞りF5.6・1/250秒
今日は春の嵐が近付く生憎の天気でしたが、沢山のヒヨドリが桜の蜜を求めて立ち寄っていきました。
日が落ちる頃には強い風の吹く音が聞こえ始めました。明日には散ってしまっているでしょうか……。
2013.3.30(土) 23:00 799 やり遂げた達成感
【日録】9日に参加させていただいた結婚式の「お嫁楽団」がライヴハウスに飛び出した!(笑)春日井市にある某ライヴハウスで改めて演奏することになったのだ。
練習とお花見を兼ねて近くの大きな公園へ。桜が満開で多くの人が訪れていた。
Rさん夫妻と落ち合う。練習の合間に他の曲を合奏していると人が立ち止まったり子供達が集まってきたりした。毎度のことではあるけど、自分達が楽しんでいる演奏で拍手が貰えると、とても嬉しい。
日が傾いて寒くなってきたのでカラオケボックスで追加練習。しかし我慢しきれず『お嫁サンバ』や『青春時代』をRさんとハモって歌ってしまう。歌謡曲ばんざい!
ライヴハウスでお嫁楽団が再集結。Mちゃんは残念ながら欠席だった。その代わりではないがNさんがベースとして加わった。今まで自分が参加したユニットとしては最大の7人。
いざ本番。Mr. Children の『彩り』。
私のパートはカホンだが、Nさんのベースが加わったことで足元がしっかりしてとても演奏しやすかった。ベースの音が跳ねるリズムでいいグルーヴを出しているのを感じた。あゝ、ベースをちゃんと弾けるようになりたい!
演奏全体としても2度目ということで完成度が増し、余裕があって“やりきった”感が強かった。今回はレベルの高い周りの人に何とかついて行けたと思うが、後で録音を聴いたら細かなオカズを入れた後にもたついているのが耳についた。今後の課題だ。
演奏が終わって一段落ついたら眠気が襲ってきて中座してしまった。帰りの車では演奏をやり遂げた達成感と、ラジオから流れる岡崎律子さんの歌に何となく寂しさを感じるような、心地良いものを感じながら、今年度の終わりと新しく始まるであろうものに思いを馳せた。
カメラと同時に新調したレンズ「AF-S ニッコール 24-120mm f/4G ED VR」が購入当初からもやもやにしか写らずニコンに調整に出していたが、直前に調整から返ってきたので今日早速実戦投入した。
調整に出してみたら実は“当たり”の個体だったのか、絞り開放でも15メートル先の被写体の髪の毛一本一本が判るぐらい解像し、人物の近接撮影でも肌理がよく判り「これ以上写ったらまずいかも」と思わせるほどで私にはこれで充分。先代 D80 の取材用のレンズ「AF-S ニッコール 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」に肉薄するほどシャープに写る印象だった。24-120mm も今後安心して使えそうだ。
新しいカメラは動画も撮影できるということで、先日買っておいた SLIK のミニ三脚「MINI II」も自分達の演奏を撮る為に活躍。カメラと三脚を組み合わせたら思ったよりゴツくてテーブルの上で目立ってしまったが、その分いい仕事をしてくれた。場所を貸してくださったお客さん、本当にありがとうございました。
(BGM:サミー『涙にこんにちは』/1975年/筒美京平作品、平尾昌晃・畑中葉子『カナダからの手紙』/1978年/平尾昌晃作品)
2013.3.23(土) 22:21 798 卒業制作
【イラスト制作部+音楽制作部】1月上旬にある歌と出逢ってから2ヶ月半。好きで仕方がなくて想いのやり場に困り、曲の耳コピとイラストを描くことに毎日の自分の時間の殆どを費やしてしまいました。
今日ようやくその動画を某サイトに投稿し終えたところです。
亮月だよりの投函の頻度が極端に少なくなったのはその為でした。
MIDI による音楽とイラストを活動の軸として「亮月製作所」を名乗ったのが1998年のことでしたので、ささやかではありますが亮月製作所15周年記念事業という側面もありました。音楽をあまり聴かず義務教育の知識しかなく、絵も殆ど描けない所から出発してどうなったかを作品として遺しておきたいと思ったのです。表現したものも15年の変化の末に今の亮月の主幹を為しているような存在です。
曲の耳コピと生音の収録、VOCALOID の歌声といった音楽作りに1ヶ月、4枚のイラスト素材の制作に1ヶ月半かかりました。自分にとっては不可能と思うほどハードルの高いものが対象だったので、時間をかけて丁寧に作り込めば意外と何とかなるのがとても不思議でした。
4月から忙しくなるのが分かっていたので、全力投球できるのは3月いっぱいまででした。そういう事情もあって、私の中では“卒業制作”と呼んでいました。これが最後の作品ではないし、こういう趣味を辞める訳ではないけれど。では何を卒業するというのだろう。
動画として観ると物足りなさがどうしても出てしまうし、相変わらず音も絵もへっぽこですが、音楽やイラストとしてはこれ以上のものは作れないと思っています。後日イラスト制作部にも掲載しますが、アカウントのある方は動画サイトでご笑納くださいませ。(2013.3.25追記:イラスト制作部に1枚目を掲載しました。全4枚。→KM16)
制作中にどんどん写植関係の話が入ってきていたので、4月からは安心してそちらに力を注げそうです。私には受け取りきれないほどの展開……かも。
(BGM:北白川たまこ(洲崎綾)『ともろう』/2013.1.25『ドラマチックマーケットライド』B面)
2013.3.10(日) 23:00 797 私がしっかりしなきゃ!?
【日録】酷い二日酔いを大方治めて臨んだ、午後からのKさんとの音合わせ第2回。
Kさんの奔放なペースに飲み込まれている感があるが、遊びで演奏した曲でさえも咄嗟にハモれるこの距離感は無二のものだ。今回は持ち合わせた曲の中から課題曲が何となく決まり、あとは運指を何とかすればといったところ。これからの練習は面倒臭くてしたくないものではあるけど(笑)。本当に人に発表できる域まで辿り着けるのかしら? 私がしっかりしなきゃ!(←中野梓談。言ってみたかっただけ。私も二日酔いでイイカゲンでした。)
どうも体調と心持ちがあまり優れなかったものの、今回もいつの間にか日没を拝んでいた。ここを読んでいないとは思いますが、どうもありがとうございました。
待ち合わせの時間を利用して思わず“絵の資料”を買いに行くのが恒例になるのか……。たまこまが表紙の某雑誌とか、『よつばと!』12巻とか。そうやってバランスを取っているような気がする(?)。
2013.3.9(土) 23:00 796 ありのままこそ美しけれ
【日録】RさんとUちゃんの結婚式から二次会まで、一日参列させていただいた。
はじまりの佳日。二人の人となりが現れた式で、たいへん清々しく、笑みがこぼれて自然とお祝いしたくなるような情景がそこにはあった。
式次第や料理などにも二人らしさが現れていて、今まで出席させていただいたどの式よりも居心地の良さが際立っていた。(個人的には、入刀されたケーキを新郎に食べさせてわざと顔を生クリームまみれにするとか、そういう類の紋切型のものがなくてとても良かった。)
2月に練習した「お嫁楽団」の一員として2曲演奏に加わった。二人が主なので気持ちの良い伴奏に徹した。酔っ払っていて間違えたり悪乗りしたりしてしまったが……。演奏を終えたらようやく人心地がついた。
二次会にはしばらく振りの面々も。二人の周りにある繋がりの広さと深さ。自分が万が一結婚したとしたら、来てくれる人がこれほどいるのだろうか、と。途中からは飲み過ぎたのかあまり覚えていない。撮った記憶がない写真がカメラに残っていた(笑)。すごく驚いたことと、二次会が終わった後話し込んでしまったことは何となく覚えている。Nさんその節は本当にすみませんでした。
これまで二人の物語の様々な“伏線”を感じ取ることがあったが、こうして全てを回収し、見事に結実したことがとても感慨深かった。末永くお幸せに。
2013.3.3(日) 21:46 795 もう春なのです
【日録】
旅先で見付けたとても可愛いお雛様。
今日も風が強く寒い一日でしたが、もう春なのです。
2013.3.1(金) 23:00 794 終わりの月の始まりに
【日録】果てしなく続く名曲発掘の旅。
『たまこまーけっと』のキャラクターソングアルバム『twinkle ride CD』。
以前このCDの収録曲が一通り紹介されたとき、大半がテクノ寄りな曲調で、私が抱いていたたまこまの世界観に対する感触とのずれを感じていた。が、主な視聴者層を掴むのがキャラソンの本意だし作家陣にそういう作風の人が多いからそんなもんか、と納得もしていた。以下特に気になる作品をば。
好きキャラ牧野かんなの『カンカン・マキマキ』。低テンションでぐふぐふ歌っているのが可愛い。ちょっと変わった子好きにはたまらない。歌詞の至る所に「真壁」「はつり」「天端」なんて現場の言葉が出てきてぐっと来る。私は大工じゃないけど。
チョイちゃんの『太陽とドラム』。南国風の伴奏に合わせて色々な擬音を歌う所がいい。すっごくいい声だ。ずっとこのままの声でいて欲しい……なんて訳の分からないことを思ってしまうほどに。
史織さんの『今日も言えない』。荒井由実を彷彿とさせるニューミュージックのような曲調と歌声。こちらの方が私の抱くたまこまの印象に近くて、この曲が一番好き。番組第3話の彼女の心境がそのまま歌詞になっていて、ぼんやりとした聴き心地とともに澱となって私の心にたゆたう。この気持ち、知ってる。とても。
最終トラック、6人で歌う『きっとね、ずっとね、よろしくね』。4ビートでモータウンの香りもちょっとするアップテンポな打ち込みの王道的なポップスで一聴すると元気いっぱいの明るい曲調だけど、最終回を想起させるような「今」と「これから」を歌った詞で寂しさも感じる。そこがいい。
このアルバムにはキャラクター達の今の心境が収められている訳だが、まるで彼女達が人生を俯瞰して「今」が「過去になるもの」であることを強く意識しているように感じる。それは番組を観ていても感じることで、ありふれた日常の理想型を「いつか終わるものだから今を大切に、目一杯愛する」姿に投影して描き出しているように私は解釈している。この日は今しかない。いつかは別れ、旅立ち、終わる。その美しさのようなものが、そこには、ある。
『けいおん!』と同じくこの作品が描く理想的な姿は、人によっては違和感の塊でしかないという。現実の深刻さや上手くいかなさ、不条理さが排除されていることが。しかし現実への不満や諦めのようなものはそこに生きる人間なら誰でも感じていることであり、殊更虚構であるアニメーションに対して世の中の前提にしか着目しないような見方は私はしたくない。「何もかもが上手くいかなくて徹底的に不条理」な作品なら逆に面白いと思うが。だから「理想はこうだ」と“人によっては違和感を抱くほど”仔細に描き出し、あのやわらかい作風を着せることによって、現実に対する納得のいかなさに向けてこの上なく強烈に抗議しているのではないか、と私は思っている。
少し脱線してしまったが、人生を俯瞰することによって今を生きることの意味を見出すことに、私はかなり時間がかかってしまった。残り僅かではないけど、今が今であり続けられる時間はあまり多くはないということが分かってきた。これら2作を観て生きる糧になることもあるし、逆にそういうことを考えるようになったからどうしようもなく惹かれたとも言える。厳しい現実の中であっても少しでも理想型に近付きたい、斯く在りたいと思っては駄目ですか? 世の中は殆ど変わらないかもしれないけど、自分の心持ちは随分変わりました。
初めてこのアルバムを聴いた昨晩、番組第7話でチョイが寝ながら泣いている場面を夢で観て目が覚めた。まだ真っ暗だった。自分も涙を流していたことに気が付いた。
そんな「終わり」の月の「始まり」だった。
(BGM:『たまこまーけっと twinkle ride CD』/2013.2.20)
2013.2.24(日) 23:00 793 見えざる午前・見えた午後
【日録】所属の写真サークルのKさんと音合わせをするの日。メンバー数人で合奏するのが常なので、サークルを介さず1対1で合わせるのは初めての試みだ。
約束は午後からだったので、ついでに午前から出掛けてあちこち寄ってみた。
まずは今日が寒くなければ落ち合う筈だった鶴舞公園へ。
名古屋市公会堂をはじめ、昭和初期の趣を遺した広くて静かな公園なので密かに気に入っている。新調したカメラを持ってきたのでいつの間にか撮影に熱中していた。
奏楽堂ではドレスを着た人の撮影をしていた。周りをよく見るとアニメやゲームのコスプレをした人達がいる……今日公会堂でそういうイベントやってたの!?
フィルムとデジタルの一眼レフを併用してきたので、デジタルでフィルムと同じレンズを使って同じ画角で撮影できるのは理屈抜きに使い易い。それでいて1.2倍と1.5倍の焦点距離相当でクロップ撮影できるので、私にとっての標準である35mmの単焦点レンズさえあれば好きなように風景を切り取ることができる。
これまで使ってきた D80 より上位のカメラが欲しかった自分にとってこの機種しか選択肢がなかったので購入した訳だが、気楽に実用していてもその心地良さを感じることができる。このカメラで良かったと思った。D80 と同じように長く愛用していきたい。
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正午近くになって我に還った。撮影に来た訳じゃなかった。“絵の資料”を買わねば!(←それも本目的と違うが)
(写真は画像処理しています)
「たまこまーけっと・うさぎ山商店街クリアファイルコレクション」。たまこまのキャラの大きな資料がどうしても欲しかったので……。何枚か買ってみたらシークレットの絵柄が2枚当たってた!
クリアファイルが入っている紙袋の「クリアファイルコレクション」という文字はタイプラボさんの「えれがんと」。先の『時空ツアーズ』といい、同社の書体がその界隈で活躍しているのを最近よく見る気がする。
デラちゃんが大写しになったものが可愛い。「♪ったまっこまーけっとっ」というアイキャッチの歌が脳内で再生される。
店を梯子して『たまこまーけっと twinkle ride CD』と花澤香菜『claire』を買った辺りでちょうどいい時間になり、名古屋を発つ。
待ち合わせの街の駅に着くと、まだその時間までに余裕があったので駅のすぐそばにある店へ。そしてうっかり見付けてしまった。
分売不可の筈の「けいおん!コンプリートBOX」なるものが単独300円で投げ売りに……(泣)。諸行無常の響きあり。それでも私は好きだ!
好きなものに関しては思いがけない所でこういう引きの強さを発揮することがよくある。今日、絵の資料の為の外出じゃなかったのに……。
*
本題の音合わせ。
今回お互いの需要が一致してこのような事になったのだが、それを実感するものであったし、Kさんの引き出しの多さと懐の深さには恐れ入ったというか感動を覚えた。
以前からこの二人が合奏する時の調和や間合いが絶妙だと思っていたが、会話を交わした記憶があまりなかったので、傍からは「楽器だけで語らってくるんじゃないか」などと茶化されていたらしい。しかし今日の音合わせでそういった心配が見事に払拭されて嬉しかった。ここを見てはいないと思いますが、本当にありがとう。
(BGM:朝霧史織(山下百合恵)『今日も言えない』/『たまこまーけっと twinkle ride CD』より/2013.2.20)
2013.2.16(土) 11:30 792 描けなくても描きたい!
【イラスト制作部】年賀状イラストは2月に入ってから公開することにしているのですが、今年は色々あってこの時期になりました。相変わらず画力のなさに悶絶していますが、写植の印画紙そのものを素材に使った作品ですのでよろしければご覧くださいませ。(→イラスト制作部 →KM15・2013年賀状)
画力のなさは運動でいう所の基礎体力のなさであり日々訓練することが必要だし、今回の作品では下絵からトレースする時に劣化することが大きな課題であることが確かめられたので、これらを何とかしなければ進歩はない。前者はよく観察しよく描くこと、後者は技術的な試行錯誤が必要です。絵が好きで描いてきた人は自然に体得していったのでしょうが、図画工作や美術の成績が良くなかったのに描きたくなった私は常に意識して描くしかない。周りにイラストが描けてそれについてあれこれ語れる人はいないので自分の絵がどんなものなのかを客観的に把握することはできず、こうして課題にぶつかるまでもがかざるを得ない。それでもやっぱり絵を描きたいのです。描きたいものがあるのです。
一昨日のあずにゃん。自分の絵柄ではどうしても顔があずにゃんに見えないので、アニメーションのキャラクターデザインに倣って“堀口シフト”を敷いているのですが、たまにゲシュタルト崩壊を起こしてこれでいいのか判らなくなることがあります。
これは今の自分にとって「よく描けた」方の落描きです。眼の間隔はもう少し狭い方がいいかも。
2013.2.9(土) 23:00 791 一家の彩り
【日録】所属の写真サークルのRさんとUちゃんの結婚式の披露宴でこの二人と共に総勢6人で演奏することになり、最初で最後の練習に出掛けた。
私の担当はカホンだ。今日初めて音を合わせる方々からは以前素晴らしい演奏を聴かせていただいているので、私が足を引っ張ることのないようにと演目の原曲を耳コピして簡単な楽譜を作り、心して臨んだ。
初めてこの組み合わせのメンバーで音を合わせたのに、いつもここで合奏してきたような感覚。お互いの音を聴き合って音を出しているのが判る。弾む会話のように曲の流れが出来上がっていく。私も楽譜通りじゃない方がいい所はどんどん変えていった。気持ちいい演奏の仕方というものが確かにある。
一方、打楽器だから口は空いているので一緒に歌いたい。でも歌った途端に演奏のリズムは乱れる。いつも頭の中で自分のパートを歌いながら演奏している。しかも今回は原曲の雰囲気を壊さないよう出来る限り手数を増やしたので“処理落ち”のようなことが起こるのだ。何とか解消したいものだ……。
演目のうちの1曲は急遽この場の勢いで決まった。非常によく知られている筒美京平作品。私も諸手を挙げて賛成。それでも何回かの音合わせで詰めまで終わってしまった。メンバーはそれぞれユニットを持っていて、写真サークルの楽団が演奏活動の本拠地なのは私だけの筈なので、何というか畏れ多い。心から楽しんでいるけど、いつもついて行くのに必死です(笑)。
練習が大方終わると好き勝手に演奏するのが恒例になっている。今日のメンバーが持っていた色とりどりの鍵盤ハーモニカが全て鈴木楽器製作所製の「メロディオン」だったことに驚いた! しかもバス、アルト、ソプラノが全て揃い、試しに『キユーピー3分クッキング』のテーマ曲『おもちゃの兵隊の観兵式』や『サザエさん』のBGMをやってみたらすごくはまった。低音好きが高じてうっかりバスメロディオンを買って良かったと思った(→2011.12.11の記事参照)。“鍵ハー楽団”もいいな……。
ともかくも、来月の本番が楽しみだ。そしてお二人が末永く幸せでありますように。
2013.2.8(金) 18:48 790 【速報】富士写植ペーパー、製造中止へ
【写真植字】富士フイルムが写植用の印画紙「写植ペーパー」を製造中止にするとのご連絡を、写植関連の方から頂きました。
富士には直接確認していませんが、2014年3月末を以て完全販売中止とし、今年夏頃にラストオーダーを富士が行う予定……だそうです。
非常に残念ですが、これだけ写真植字が衰退した今まで製造してくださっていたことに心から感謝します。亮月写植室はまだ印字をやめる訳にはいきませんので、その時は最後の注文をするつもりです。
なお、写植用の印画紙というものがこれで完全に入手不可能になるのではなく、三菱から同様のものが製造されていて、今のところ製造中止の話は出ていないとのことです。しかしこれも時間の問題でしょうか。
印画紙を新品でまだ手に入れられる、今のうちに……。
2013.1.30(水) 19:33 789 解きほぐされる本心
【日録】『たまこまーけっと』第3話の感想です。
たまこ達のバトン部の隣で部活をするバドミントン部の朝霧さんのお話でした。
泣きました。朝霧さんの気持ち、すっごく分かる。観れば観るほどとてもいい子で泣けました。
たまこ達につれない反応をしてしまう彼女がモチマッヅィ氏に惚れられ、成り行きで商店街へ入り、お店の人達やたまこの家であたたかく迎えられ、一緒にご飯を食べたりお風呂に入りに銭湯へ行ったり……。それに対する朝霧さんの不器用さ故の意地のようなものと同時に抱いていた「仲良くなりたい」という本心が、少しずつほぐされていく様子。朝霧さんが学校のトイレで何度も「ありがとう」の練習をしている場面から涙腺が弛みっぱなしでした。
本編の終盤、みどちゃんがたまこに電話でトイレの件を伝えた時のたまこの表情。初めて録画を観た時はとてつもないカタルシスを感じ、暫く放心状態でした。
モチマッヅィ氏はわざと転んでスカートの下から覗こうとしたり女湯へ侵入しようとしたりと相変わらずヒドイですが(笑)、彼にたまこへのお礼の言伝を頼もうとした朝霧さんに「それは自分で言った方がいいに決まっている」と諭すなど、第2回と同じく実にいい役どころでした。こうして彼が触媒となって日常がもちっと輝きと潤いを増すような、ささやかでありながら強いメッセージ性を持った物語群になっていくのでしょうか。
第4話の予告編で朝霧さんがたまこ達と一緒にいるのを観て、「仲良くなれたみたいでよかった……」と嬉しくなりました。
この気持ちをどうしても取っておきたくて、またここに投函してしまいました……。
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『ドラマチックマーケットライド』と『ねぐせ』のCDを購入。『ねぐせ』の「♪とらやてまおら ないきけんと」と聞こえていた部分(→2013.1.10参照)は「♪ドライヤーでなおらない機嫌と」と判明。一音に複数の文字を当てられたら分からんわ!(笑)そういう歌を聴き取ったり歌ったりするのがとことん苦手なのです。
2013.1.23(水) 22:09 788 特別な想い
【日録】前回の投函で取り上げた『時空ツアーズ』があまりにも良くて、あれからすぐ、昨年末に発売された筒美京平作品集『筒美京平 GOLDEN HITSTORY』全6枚を一気に購入してしまった管理人です。筒美作品漬けでしばらくここから遠ざかっていました。
という訳で、すぐに掲載できなかった『たまこまーけっと』第2話の感想です。書くつもりはなかったのですが、あまりに心動かされ、良さを直接伝えられる人はごく限られているので思いの丈をここに書いてしまいます。
“みどちゃん”こと常磐みどりを中心としたバレンタインデイのお話でした。
みどりのお爺ちゃんが話していた「Everybody loves somebody.」は放映前のプロモーション動画にも出てきた言葉で、おそらく本作の大きなテーマなのでしょう。「誰かが誰かを愛してる」ということですが、私はもちっと拡大解釈して、異性の人だけでなく沢山の物事が愛されていることを第2話から感じました。
幼馴染み。友達。家族。商店街。実家の家業や自分の生業。故郷。至る所に登場人物の愛の形があり、多幸感溢れる25分間でした。たまこがもち蔵との“通話”用に作った糸電話をもち蔵が箪笥の奥に後生大事にしまっておいては事あるごとに通りを挟んで通話しているんだろうなとか、たまこの父がバレンタインという行事を拒否しつつも結局は商品を作っちゃうとか、S映像端子を銜えてプロジェクターになったモチマッヅィ氏が商店街への愛にあてられて(?)故郷の映像を映し出してしまうとか、もう! いじらしい! まさに「恋する商店街」。
みどちゃんがうるうるしたり“乙女な”仕草を見せたりととても可愛らしいのですが、繊細な表情とその視線が向けられた先を画面から推測するに、やはり(伏せときます)に特別な想いを持っているのではないかと感ずる所がありました。モチマッヅィ氏はよく解っているし、星とピエロの店主も「誰にも名前の付けられない気持ちがある」と呟く。牧野かんなも「誰が誰を好きになってもいいんだよ」とみどちゃんに語りかけます。最後、モチマッヅィ氏の独白「色とりどりの花の中、ひそやかに咲く花もある。どんな想いも花は花。心に咲いて、愛おしい」……万感です。レコードがかかってからとか、上映会とか、紙面が長くなりそうなので省略しますが、胸がいっぱいで同時にせつなくなりました。そういう「好き」の形があっていいと思うよ、みどちゃん。
主題とあまり関係ない所では、かんなの独特な言い回しや持ち合わせた感覚がとても可愛い。ちょっと変わった子が好きです(笑)。1話では話の途中でトイレに行っちゃうとか、「デスヨネ゛(親指立てて突き出す)」「トンカチで打ってやろうか……」「うさうさぴょんぴょん(低テンション)」のような味のある台詞とか。ちゃんとみどちゃんの想いを解っている所もいい。
録画を3回も4回も観直すようなことはこれまで観た作品ではなかったのですが、奥ゆかしい演出で解釈に余裕があり、観れば観るほど本作が持っている機微が見えてきて、特に今回はいつまでもあたたかく心に残るようなお話でした。『たまこまーけっと』は、映画を観たあと主人公になりきる気分とはまた違い、自分はこうこうこういう風にありたいなと思えてくるような、“読後感”を自分の現実に読み替えられる前向きさを持った作品なのかもしれない……と思っています。
あかん! 毎週こんなことやっとったら亮月製作所が潰れてまう!
2013.1.12(土) 23:07 787 曲で泣く。
【日録】果てしなく続く名曲発掘の旅。
竹達彩奈『時空ツアーズ』(2013.1.9)。
曲で泣く。
あずにゃんの中の人がシングルを出すという情報をたまたまどこかで知り(→2012.11.23の投函参照)、筒美京平氏作曲の何年か振りの新作シングルだと判明してずっと心待ちにしていた一曲。
ジャケット写真がサイバーチックなので電子音のリズムバンバンのあっさりした歌なのではないかとか、1990年代以降の筒美作品はマイナー調だとルーチンワークのように感じてしまうものがあったり1980年代までの作品とは違い「つかみ」の弱い大人しいものがあったりして必ずしも「筒美作品だから手放しで良い曲!」とはならない感があったとか、いち筒美京平ファンとして本作の造りを期待しつつ心配する向きもありました。
今日“絵の資料”等々の売却の為に出掛けたついでにそういう店に行くと、店頭に大画面付きでコーナーが作ってあり、「おお!」と仰ぎ見ながらこっそり購入しました。
帰宅して聴きました。今聴いてます。以下感想です。
筒美京平の作曲家としての良心が目一杯詰め込まれた、まさしく良質な日本のポップスです。いわゆる J-POP なんかじゃない、歌謡曲的なポップス。
ミドルテンポのオールディーズっぽいバンドサウンドにエコーとリバーブが深めにかかった広がり感のある竹達さんのヴォーカル、厚いコーラスに手数が多くて歌うような打ち込みストリングスという布陣で一貫して暖かく包み込むような雰囲気です。竹達さんの歌声は『けいおん!』のもの以外は初めて聴きましたが、竹達彩奈≒中野梓とは驚きました。ファンタジックで前向きな歌詞を絶妙に歌いこなしています。
メロディーが、メロディーがもう。筒美作品を15年聴いてきた身には美味しい所しかないと言ってもいいぐらい良くて、少ない語彙で喩えると、卒業式で歌うと泣いてしまいそうなメロディー。幸せな気持ちと感慨深さが心の中から止めどなく溢れてきてせつなくなる感触です。
曲の良さで涙が出るのは本当に久し振りです。個人的な泣き所は(以下全く音楽的でなくて申し訳ないのですが)イントロやサビ手前で歌う打ち込みストリングスの筒美感、序盤1〜4小節目の夢見心地を5〜8小節目のベースがぎりぎりまで下がって諌める感じ、9小節目からの王道なクリシェで溜めた感慨を12小節目で同じ音程にして少しずつ解放する感じ、サビの4・12小節目で盛り上げを確認する感じ、終盤附近に潜むVIのフラットの音の哀愁、キャンディーズの引退のような壮大な大団円……と私に「泣け」と言わんばかりの展開でした。期待した遥か上をゆくほど好みのど真ん中のものが来ました。「ポップスは斯くあって欲しい」と思うようなものが。ずっと聴いていたい……。
筒美氏は竹達さんがこれまで歌った歌を聴いた上でこの曲を書いた*のだとか。数年空けて初めての提供先が声優さんというのは、“そちら側”に片足入れている身としてはとても嬉しいし、筒美氏として何か新しい可能性を感じたからこそ提供したのではないかと考えてしまいます。今では一般のポップス界よりも寧ろアニソンこそ新しい音楽を作り続けていると思っているので、今後もぜひ筒美作品のアニソン・声優ソングを新曲で聴いてみたいです。
竹達彩奈ファンや歌謡曲ファンでなくても聴いていただきたい、本当にいい作品だと思います。
ちなみにジャケットに印字された「時空ツアーズ」という文字はタイプラボさんの「セプテンバー」ですよ!(←誰に)
*ナタリー「『チーム竹達』プロジェクトの全貌に迫る」の3ページ目をご参照ください。
*
【日録】おまけ
『時空ツアーズ』を買った帰りにうっかり買ってしまった『映画けいおん!』アクリルチャーム・秋山澪。
映画のエンディングに登場した三つ編みの澪。好きで悪かったね!
『けいおん!』のこの手のものが出回るのも最後かなと思い購入。買ったからには死蔵するのではなく実用する主義なので、こっそり使っております……。
(BGM:竹達彩奈『時空ツアーズ』/2013.1.9)
2013.1.10(木) 22:58 786 お茶の間感
【日録】果てしなく続く名曲発掘の旅。
北白川たまこ(洲崎綾)『ドラマチックマーケットライド』(2013.1.25)。
昨日の投函で取り上げた『たまこまーけっと』のオープニングテーマ。
商店街で生まれ育ったたまこの期待感や喜びに溢れた心境を歌い上げる“主題歌主題歌した主題歌”。「♪まるでどんなパーティーも霞むようなきらめく場所ね、ここは。確かめてみて!」と視聴者に呼びかけているようなたまこさん。久し振りに正統派の主題歌を聴いたような気がしてラジメニアン(『青春!ラジメニア』リスナー)としてとても嬉しいです。
曲はサビ以降が昨日書いた“クイズダービー”のような豪華でクサい感じ、イントロから中盤までは「パパパー」というコーラスや4ビート縦乗り、同じメロディーを転調して繰り返すなどピチカート・ファイヴ? というか渋谷系の爽やかでちょっとお洒落な感じ。木琴がちょんちょん鳴ってたまこの可愛らしい感じも出ています。
蛇足ですが、「♪きらめく場所ね」の「め」が Auto-Tune(音程補正ソフト)の調整に失敗して“ケロっている”(同一の音程であるべき一つの音の音程が階段状に変化すること)ように聴こえるのは気のせいでしょうか?
同じくエンディングテーマ・北白川たまこ(洲崎綾)『ねぐせ』(2013.1.25)。
こちらはより生身の(?)たまこに迫ったような歌詞。作中たまこは母の思い出の曲の続きを探すためレコード店で曲を聴かせてもらうのですがその事に言及したり、「♪一瞬だけど居場所を確認しちゃうよ いつか離れてゆくのかな」「♪探し物はいつも側に隠れてるの 手探りの心知ってるくせに」と言ってみたりと含みのある言葉が並びます。序盤の始め「♪とらやてまおら ないきけんと」と聴こえるのですが一体何? 早くCDの歌詞カードが見たいです!(笑)
曲調は“ひとりPerfume”といった感じで意外でしたが「今の作品なんだ」という安心感があります。作中でもたまこの家に薄型テレビがあったし携帯電話も持っているので舞台も1990年代以前ということはない筈……多分。編曲に合わせてチューニングしたのかたまこの歌声が“人力VOCALOID”のように聴こえる。サビに入る手前の「テテン・テン」というシンセサイザーのフレーズが気持ちいい。
アニメーション本編は始まったばかりということで「こんな世界にこんな人達が住んでいる」と紹介する感じでしたが、かつてゴールデンタイムに放映されていたアニメ番組のような懐かしい雰囲気があり、キャラクターが発する言葉もきちんと選ばれている(下品さがない)所も良かったです。お茶の間で晩御飯を食べながらアニメを見ていたあの頃のような幸福感のある感触でした。
以下1話を観た率直な所感です。(この段落のみ11日にもう一度録画を観てから追記)
・鳥ことデラ・モチマッヅィ氏は本当に鳥なの? 元々人間だったの? お妃候補は人間? たまこ達の●を見て鼻血とか……。眼から映写機のように記憶が出ているから鳥でもない?
・鳥にいつの間にか感情移入し、鳥視点で観ていることがある。
・魚屋「さしみ」のおっかさんの声が『けいおん!』の澪と同じ日笠さんで、「けいおんも“旧”になってしまったのか……」としみじみと、しかしその象徴のように感じた。意識して配役したのではないかと思った。
・バトン部の部活中に三人が喋る場面、わざとらしい言い回しでやり取りする辺りが自然だなぁと思った(私も友人とよくやった)。
・レコード店の場面、たまこのお母さんは小五の時(もごもご)とは? 少なくとも2パターン思い浮かぶけど、それによって「たまや」の家族観が大きく変わってくる。
・たまこ達は何故自宅のお風呂に入らないのだろう?
・もち蔵の部屋が意外と子供っぽい。ベッドの手前に映る汽車のおもちゃは何?
・意外とデフォルメ顔になることが少なく、人物を現実的に描いている印象。
・車の低い騒音が大きく聞こえるので、大通りが近いようだ。
・山田監督のキャラはやはり脚で語る。
・たまここと洲崎さんが一生懸命演じ歌っているのが初々しくて、本作の「何もかもが新しい」ことが感慨深い。真新しいものを同時代性を持って感じることが出来る喜びとでも言おうか。
・あかん! 毎週こんなことやっとったら亮月製作所が潰れてまう!
それぞれのキャラが普通さとイモっぽさを発揮しているのが実に人間らしくて愛らしい。そういう描写大好きです。それにしてもデラ・モチマッヅィ氏は! 思っていたより前面に出ていて高飛車な事言ってるけど声真似したくなるほど素敵だ!(笑)
本作の堀口悠紀子氏のキャラデザは『けいおん!』がまだ新鮮な存在である私には可愛過ぎるほどなのですがそこに気を取られることは少なく、むしろキャラの一挙手一投足一言が織り成すドラマに集中して観る感じ。これからの展開で観る人間の内面にじんわり訴求してくるような作品だったらいいなと思うのです。果たしてどうなることやら。
(BGM:北白川たまこ『ドラマチックマーケットライド』『ねぐせ』)
2013.1.9(水) 21:08 785 おもちに合う書体
【写真植字?】今日から放映が始まるアニメーション『たまこまーけっと』の公式サイトにフォントワークスの「筑紫A丸ゴシック」が使われていたので、歴代キャッチコピーを写植で再現してみました。
写研の「石井太丸ゴシック体」はDTPが普及してからもかなり使われた書体ですが、「筑紫A丸ゴシック」の登場によって殆ど姿を消してしまいました。絶妙な立ち位置にあった写植らしい書体です。
「石井〜」は癖が少なく、全体的にぷっくりとしていますので、上品で落ち着いていながらちょっととぼけたような味わいがあります。一方「筑紫〜」は石井とは逆に画線の端に行くほど太くなる輪郭を持っており、藤田重信氏が制作した書体に共通する骨格とも相俟って、あたたかくも勢いがあってきりりと引き締まった若さを秘める表情です。
画像をクリックすると石井太丸ゴシック体の「たまこまーけっと」を超拡大します
(56Q・600dpi。ご自由にお使いください)
私は両方使えるなら「石井太丸ゴシック体」を使いたいのですが、本作の「おもち」に相応しいのはやはり「筑紫A丸ゴシック」だと思います。なんとな〜く、お餅が伸びているように見えません?
*
『たまこまーけっと』の公式プロモーションムービーの後半のBGMにオープニングテーマ『ドラマチックマーケットライド』のカラオケ版と思しきものが使われているのですが(※放映後に修正するかも→2013.1.10追記:合ってました!)、ベースのリズムの取り方や木琴のロール、ハープのグリッサンドといった編曲の雰囲気が『クイズダービー』のエンディングテーマ的で、各パートのフレーズがちょっとクサい(ベタな感じで出しゃばっている)ので1990年代迄のお茶の間感がすごくする! これにどんな歌詞とメロディーが付いているのでしょうか。
(BGM:『ドラマチックマーケットライド』カラオケ版?……仕事中もぐるぐると……。)
2013.1.8(火) 22:30 784 年の始めに
本年も亮月製作所をよろしくお願いいたします。
朝の製作所の室内気温は摂氏3度、通勤途中の池の完全結氷を見て冬本番を感じる今日この頃。いかがお過ごしでしょうか。
一年の出だし早々こんな話も何ですが、年賀状の制作に関し道具の不備不調や管理人の不手際が多々あって投函が非常に遅れました。送らせていただいた方に於かれましてはたいへん申し訳ありませんでした。
*
さて、ここからは管理人自身の為の記録目的が9割です。やや重い話ですので、どうしても興味のある方だけお付き合いくださいませ……。
管理人個人として昨年を振り返ってみると、それ迄の状況から大きく変化した一年だったように思います。私自身に大きな動きがあったというのではなく、私から見た世界が今迄と大きく異なって感じられたということです。
管理人に変化があったとすれば身辺整理をして持ち物をゼロから見直したことと睡眠時間を1時間半長くしたことぐらいです。効果は覿面だったようで、特に後者は日中の頭の働き具合が良くなって仕事や休日の私事が非常に捗るようになりました。とは言え相対的な所感なので「慢性的な睡眠不足が解消されて本来の状態に戻った」だけかも知れませんが、日々ぼんやりとして「何をやってもダメだぁ」という思いに苛むようなことはかなり減り、清々しい一年を過ごせました。
二十数年をかけて無意識に蓄積されてきた自分の在りようがここ数年で自壊していくのを見続け、「こんなことしてたら確かに行き詰まる」という確認と「ではどうしたら復興できるか」という切実なる課題に直面してきたのですが、自分を信頼できない状況で出た結論は「信ずるものが無ければどんなに苦しくて面倒臭くて怖くても最善だと思う方法をただ選択すれば良い」ということでした。負担が少ないその原則に従って生きる一年でした。
以前の自分だったら尻込みして選ばなかったものも随分選びましたが、多くの場合に於いてそれが良い方向に導いてくれることが判り、逆に真摯に取り組まなかった場合は何が真摯ではなかったかを際立たせる形で失敗として返してくる。この世の道理のようなものをひしひしと感じました。
冒頭で「私から見た世界が今迄と大きく異なって感じられた」と書いたのは、恐らくそういった事柄から学んだ世の中に対する解釈が以前とは全く違うものだったからなのではないかと思っています。環境や周囲の人達は、変化させられるほど自分が働きかけられるものではないから。
それだけに昨年出会った物事や人は非常に劇的で、「こんなことが起こるのか」という驚きや幸福感、それによって引き起される強い寂しさを感じました。日頃の行いによる果報などでは決してなく、私の思考の範囲を超えるような自分には勿体ないほどのものでした。
今年がどうなるか私には全く分かりません。昨年の延長線上にあってシビアでありながらあたたかく且つ面白い一年になるのか、また元の位置へと転落するのか、あるいは。だからわくわくと期待するような気持ちはありませんが、何もない一年にするつもりもありません。慢心せず真摯さを持って日々日常を大切に生きていこうというのが今の私の思いです。
2012.12.31(日) 23:45 783 ありがとう2012年
【日録】2012年もあと1時間を切りました。
亮月製作所にとっては実りある一年でした。
昨年6月に写植部門を「亮月写植室」として出発した訳ですが、始動のごたごたが落ち着いた今年はゆっくりとではありますがそれらしく活動することができたように思います。
2月と5月の「写植の時代展」パンフレットへの寄稿、3代目の写植機「SPICA-AH」の導入そして故障、年間20名近くという多くの方のご見学、大幅に充実した資料や文字盤、写植を通じて出会った多くの方々……。
亮月製作所は写植を愛する方々の想いで出来ています。本当にありがとうございました。今年の収穫を少しでも多く遺し分かち合うことができるよう、来年も前進していきたいです。
2012.12.17(月) 23:00 782 忘れ去られていたものは
【日録】古いカメラを入手しました。
「オリンパスペンS3.5」です。ペンシリーズは言わずと知れたハーフサイズカメラの代表的存在で、S3.5 は1965年から1967年にかけて製造されたとのこと。
(写真は一部画像処理をしています)
軍艦部にはシャッターボタンと逆算式フィルムカウンターのみ。レンズの周りにはシャッター速度ダイヤルとピントリングがあります。露出計を内蔵していないため撮影は勘と経験に頼るか、単体の露出計を使うことになります。
この個体の製造番号は16万番台。比較的初期に製造されたようです。
レンズは高解像力との誉れ高い D. ズイコー2.8cm f/3.5。ピントリングの内側に絞りリングがあります。長年使われていなかったようでレンズは透明さを失い、本体も手垢や埃まみれです。しかし現役当時は大切に使われていたか使用頻度が少なかったようで、傷や凹みは見当たりません。磨けば新品同様に甦る可能性大です!
フィルムが入ったままになっていないかと思い巻き戻し動作をしてから裏蓋を開けると、何と「フジカラー F-II」が入っていました!
パトローネのデザインから判断して、このフィルムのデザインが変わった1980年頃から製造終了した1983年までに最後の撮影を終え、そのままカメラごと忘れられていたようです。密閉されていたお蔭で新品そのままの姿です。F-II にとっては30年振りの外の世界……。
一通りカメラの動作確認をしたところ、シャッターは全速正しく動作、絞りも羽根に粘りはなし、フィルム巻き上げとともにカウンターも動作するなど特に不具合はなかったものの一部動きが渋く、すぐ実用するには心許ないです。そのうち整備に出してハーフサイズの世界を味わってみたいです。
2012.12.9(日) 21:37 781 来年のお楽しみ
【亮月写植室】遅ればせながら、KKITT出版部さんの同人誌『写真植字の本(仮)』を購入しました。私が知る限り、写真植字のみを題材とした日本初の同人誌だと思います。
表紙がうちの PAVO-JV だ!
9月に取材にお越しいただき、その時撮影された手動写植機を掲載していただきました!
自分が写っている訳ではありませんが、普段使っている機械や部屋の様子が本になったのはちょっと照れくさいです。でもとても嬉しいです。大阪DTPの勉強部屋さんの MC-6 も掲載されています!
本誌は他に、写植屋さんに印字を依頼したという書体見本や文字盤リスト等、雉子捏造さん渾身の写植に関する図版やデータが満載です。
“写植本”(写植に関する同人誌)を一番読みたかったのは私だと思っています。本誌はパイロット版のような位置付けで、正式版を「2013年内の発行に向け、現在準備を進めています。」とのこと。とても楽しみです。亮月写植室は『写真植字の本』の制作を応援しております!
*
【らくがき】
2012.12.8(土) 12:14 780 歴史の生き証人
【亮月写植室】手動機のカタログや書体見本帳を大量に頂きました。
本当に手動機のカタログでしょうか……?
モリサワの「MC-6」と「MM」のカタログでした。1972年3月発行。手動機のカタログらしくない非常に洗練された表紙です。コーヒーポットの輪染みのようなものがありますが、第一級の貴重な資料であることには変わりありません。
MC-6 は大阪DTPの勉強部屋さん所有のもと1978年製のものが現存しますが、このカタログの写真はそれより旧く、本体を支えるのはスチールの事務机のようなものではなく無垢の木製机でした。
他、主にモリサワの手動機のカタログや書体見本帳を頂きました。MC-101 や同60、ROBO 等、主要な機種を網羅しています。
「ROBO V」のカタログから。モリサワ機のカタログの傾向としてデザインや写真に非常に力が入っていて、印刷物としても美しいと思います。メカニズムの解説が多いのもモリサワらしいです。
写研の「PAVO-K」のカタログもありました。カラーでその姿を見るのは初めてです。写研機として初めて送りが電子制御された機種で、印字キーやキーボード、電球が仕込まれた押しボタン、座標記憶、おそらく蛍光表示管によると思われる7セグメントデジタル数字による座標と残余字数の表示等、後のPAVO型の源流となる機能や装置が搭載されました。
カタログ表紙のロゴには金色の箔押しがされていて、最上位機種であることを訴求しています。解説も詳細で、自動禁則処理、ジャスティフィケーション(空印字)、フリーランニング、全角・半角・四分・十六分送りボタンがある等これまで不明だった機能があることが判りました。
手動写植機の歴史やそれぞれの機能を探るには、こうした当時の資料が必要です。モリサワ機については断片的にしか判らない状態でしたが、これでかなりの部分が明らかになりそうです。→写真植字機機種総覧〈モリサワ編〉
お譲りくださった東京のSさん、本当にありがとうございました!
2012.12.2(日) 23:00 779 もう一度光を
【日録】イラストの制作ではよく下絵からトレースをするのですが、A5サイズのライトボックスしか持っておらず原稿用紙と段差ができて不便だった為、大型のライトボックスを購入しました。
フジカラーの「カラーイルミネータープロ」というA4サイズのものです。本来4×5など大判ポジフィルムを並べて閲覧する為のものです。
漫画用のトレース台と比べるとかなり高価ですが、光源がLEDのものよりも従来の陰極管のものの方が光が軟らかくて好きで、薄型で、演色性が高く色温度が明示されているものとなると本機が予算的に最大のサイズ且つ唯一の存在でした。それでもオーバースペックのような気もしますが、ポジフィルムでもたまに撮るので全く目的外使用という訳ではない筈です(笑)。定価は驚くほど高いのですが市場価格は大分低めで、某店のポイントが沢山貯まっていたので程々の出費で買えました。
トレース作業で色調を気にする必要はないのですが、ライトボックスを撮影の照明と兼用したかったのです。写植関係やこの亮月だよりで“ブツ撮り”をよくするので、広い面積を一様に照らすことができるものがあれば……と思っていました。
好きな色の四つ切り画用紙を背景に、ライトボックスを手前に固定すれば簡易スタジオの出来上がり☆ 作業用の机の蛍光管も演色性の高いものを使っています。A5のライトボックスでもこうしてきましたが、光源が小さく光の当て具合を工夫するのが大変でした。
「ライトボックスのお蔭でうまく撮れてるでしょ」というようなものではありませんが……。ブツ撮りは照明次第でかなり写りが変わるので、こうやって楽しみながら研究してみたいと思います。
……この「ねんどろいど 平沢唯」は昨日中古屋でとても安く叩き売られていたのでうっかりお持ち帰りしてしまいました。
何か曰くがあるのかと思っていたのですが、外箱の手触りがガサガサで、アルコールで拭いてみたらティッシュが焦茶色に染まりました。ふえぇ……。古い物のおそろしい汚れは写植関係の物品でよく経験するので綺麗な状態に復元するのは慣れっこですが、僅か2〜3年でコテコテになるのは……。前所有者さんがこの個体をどのように扱っていたのか想像するのも憚られるので、分解してパーツを全部拭き上げてしまいました。もう何というか、「復元」とか「復旧」とか「磨き上げる」とか、そういうのが大好きです!(←変態かも)
復旧といえば2006年から使っている携帯電話「N600i」の充電池が膨らんできて通話可能な時間も短くなりいよいよ限界を迎え始めたので、ドコモに新品を送ってもらいました。
携帯電話をポケットに入れて持ち歩くのでこの機種の小ささが必要だし、携帯をいじる習慣がなく通話とメールができれば差し支えないため当分機種変更はしないと思います。別に意地でも変えないのではないのですが、買い替える必要もないので。こうやって最新技術について行けない中年が出来上がっていくのでしょうか……?
2012.11.25(日) 23:00 778 氷点下の朝・熱い夕方
【日録】所属の写真サークルが10月に半田で撮影した彼岸花等の写真を今日の音楽関係の催しで展示していただけることになり、搬入のお手伝いのため再び半田に出掛けました。自宅を出た7時半、まだ氷点下の世界でした。まだ多くの人が家に居る日曜の朝が始まっていく様子を電車内から堪能できました。
(写真は一部画像処理をしています)
9時過ぎに会場に到着。「おかりなまつり in はんだ」という催しで、客席数は100を超えるような大きなものでした。
客席の脇にパネルを組み、写真を貼って展示させていただきました。メンバーそれぞれの視点で切り取った、秋の半田の風景です。
この催しではサークルメンバーのうちウクレレデュオの二人が演奏で参加するということで、それも楽しみにしていました。
二人が選んだのは……ザ・ピーナッツの『恋のフーガ』。パヤ、パヤパヤ。実に渋くて熱い1960年代歌謡曲の金字塔。私の好みが直球で来ました。
合いの手のティンパニーがいいよね、でもカホンは持って来てない、などと話しながらリハーサルのため給湯室を借りると、そこには、
15リットルのポリバケツがあったので、ひっくり返して遊びでウクレレに合わせて叩いてみました。
給湯室が総タイル張りということもあってバケツの音色はティンパニーの分厚さを想起させるほど良かったので、急遽一緒に演奏することに。実はリコーダーを持参していたとはいえ、まさかバケツで演奏する側に廻るとは!
オカリナの心地良い音楽が続く中でウクレレとバケツによる『恋のフーガ』の本番。バケツをぶら提げて登壇し、舞台の縁に腰掛けてボンパパボンパとリズムを刻む様子はさぞ怪しかったことでしょう(笑)。演奏が終わってから「どうやって音を出しているのですか」と訊きに来られた方もありました。バケツの底をティンパニーとバスドラム、把手を床に打ち付けるのをスネアに見立てたのですが、ひたすら怪しげですみませんでした。でもウクレレと合わせていて最高に気持ちよかったです。写真サークル……なのですよ。
帰りもこの二人のお世話になり、名古屋まで車で送ってもらいました。BGMは1970年代の歌謡曲! 楽器のリフやイントロのつかみの良さ、歌詞の考察など一緒に口ずさみながら語らいました。まさか同世代や年下の人達と歌謡曲の話ができようとは……。熱い熱い夕方でした。
名古屋に着く頃には空は真っ暗、今日もあっという間に過ぎていきました。Rさん、Uちゃん、会場の皆さん、どうもありがとうございました。
(BGM:ザ・ピーナッツ『恋のフーガ』/1967年作品)
2012.11.23(金祝) 23:00 777 心待ち
【日録】果てしなく続く名曲発掘の旅。
ハナエ『神様はじめました/神様お願い』(2012.11.14)。
友人宅で「お薦めのアニメがある。○○(私)が嵌まってた『フルーツバスケット』みたいな雰囲気」と録画を見させてもらった『神様はじめました』のオープニングとエンディングテーマ。
白泉社の少女漫画らしいドタバタラブコメディーで、確かに学生時分フルバに熱中していた自分にとって懐かしいというか居心地がいい作品。
オープニング『神様はじめました』は健全なる少女漫画のオープニングらしい安定感ある爽やかなイントロで始まり、ころりと表情を変えて和風テイスト+矢野顕子のようなほのぼのとした雰囲気で音が紡がれていく。けど歌詞は結構意味深で、甘い囁き声のようなヴォーカルと相俟って危うい世界に行ってしまいそうだ。
余韻を残しながら本編が終わる頃、「アー、アアアー……」と静かにフェードインしてくる歌を聴いた瞬間にザ・テンプターズの『神様お願い』のカヴァーだと判り、本来の視聴者層の親でも知らないだろうこの歌を採用していることに驚いた。深夜に観たこともあって不思議なおそろしさと物凄い寂しさを感じた。ただものではないと思い、それ以来CDの発売を心待ちにしていたのだ。発売前から四六時中この2曲がぐるぐると。『神様お願い』を声真似しながらお風呂で歌ってしまう。
彼女の作風がこういう路線だとしたら過去の作品を全部買ってもいいかもしれない。
花澤香菜『happy endhings』(2012.10.24)。
前2作もきちんと初回版を買っているが今風のあっさりした造りがあまり馴染めず、今回もそんな感じかなと思いながらも花澤さんだから買ってしまった3枚目。
本作は3曲とも神前暁作編曲ということで、ポップスの王道を行きながらもサウンドに仕掛けが散りばめてあり、気持ちよくて聴き応えのある一枚だった。花澤さんにはそういう歌を歌って欲しいと思っていたので溜飲の下がる思いだった。
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あずにゃん竹達彩奈さんの新曲『時空ツアーズ』(2013.1.9)が筒美京平作曲と知り、声優さんとも組むのかと意外だったとともに、久々に耳にすることができる筒美作品の新曲なのでとても楽しみにしています。
(BGM:ハナエ『神様はじめました/神様お願い』/2012年作品)
2012.11.19(月) 23:00 776 近況報告
【写真植字】風の便りで知ったあるブログの記事『写植屋さんになったボク!』が面白いです。臨場感溢れる文章で写植に出会ったきっかけから現在までを描かれています。「ラジオが流れていて、常時コーヒーが沸いていて、営業マンの溜まり場にもなっていた」というくだり、私が学生の頃よくお邪魔していた写植屋さんの様子と同じでした。写植屋さんは居心地のいい場所、というのが今でも私の記憶に強く残っていて、亮月写植室の在りように大きく影響しています。ともあれ写植オペレータとはどういうものだったかがよく分かるこの連載記事、ぜひご一読ください。
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【日録】10・11日は重複した文字盤の仕分け(途中)、12日は休みを取って京都へ、17・18日は職場の旅行で竹生島と金沢に行ってきました。記録しておかないとどんどん忘れてしまうので、夜遅い時間はなるべくMacを使わないようにしているのですがちょっとここに戻ってきました。
重複した文字盤はみかんが入る段ボール箱がパンパンになるぐらいあることが分かりました。一番多い三級漢字・四級漢字・正字・汎用外字の仕分けはまだできていません。丸二日文字盤ばかり見ているのは幾ら写植ファンといえども辛いです(笑)。
京都へは何度も行っているのですが行く度に新たな発見があります。修学旅行の記憶は断片的にしかありませんが、こうして大人になって物事が分かってから行くととても面白い。“大人の修学旅行”、いいです!
竹生島から金沢への旅行はずっと雨の中でした。一番印象に残ったのは竹生島にある滋賀県道319号竹生島線でした。起点は屋根がある参道の入口で自動車が通行する余地は全くなく、竹生島神社の石段の下には滋賀県の道路管理に関する石杭が入っていました。
「ここ県道なんですよ!」と興味を示したのは私だけかと思いきや、何人かは起点の石標を撮影していました。すぐ隣には丸型ポストもありマニアック!
丸型ポストを見付けたら必ず撮ることにしています。アングルを工夫しないと雑多に写る場所だったので竹生島と判りにくいですが、背景に見えるようにかなり急峻な参道が山に張り付いていました。
とても古そうな観音堂への案内看板。味のある絵柄からして40年ものと見た。どうか長生きしてください。
今回雨天だということが事前に分かっていて、職場旅行ということもあり一眼レフでゆったり撮っていられないと思い、先日買った COOLPIX S01 をポケットに入れて行きました。撮りたい時にぱっと撮れるっていい!「ちっちゃい!」「これデジカメなの?」とやはりその小ささに驚かれました。
しかし撮った画像を見て気付いたのは、全ての写真の画面左がボケて写っていて、明るい場所でもピントが合わない(正確には画面右端だけが合焦している)ことがあるということです。上の案内看板の写真もそうですが、1/2.9型の撮像素子で遠景がこんなにボケるのは明らかにおかしいのでニコンへ修理に出しました。早く元気になって帰ってきて……。
*
【イラスト制作部】年賀状制作に備えリハビリを始めました。
2007年時点で「某葉書職人の描く絵のようだ」と指摘されているネット上の文章を見付け、失礼ながら活き活きとしていない感じがするという点で一理あると思ったので何とかしなければと思っています。そして今回の年賀状のテーマは何にして絵柄は何にするのか……。
10分で唯の顔が描けたりもしますが、お蔭様で元気にやっております(?)。
絵の上手な人は頭の中にあるイメージをそのままなぞることができると聞いたことがありますが、画力はともかくとして、寛いで落描きしていると稀にそういう事があります。それを作品としてきっちり作画し出すと製図のようになってしまうことが多く、どうしたものかというところです。 |