●過去だより826~850
2014.1.11(土) 23:59 850 書体づくしの3日間
【文字関係】9日(木)から3日間、東京へ出掛けてきました。
正木香子さんの『本を読む人のための書体入門』発売記念イベントにどうしても行きたくて、仕事帰りに参加した9日の夜。楽しくて斬新な「書体初め」を体験したり、この本が出来るまでの話を聴いたりと濃い2時間。この日は個人的には非常に驚くべきこともあって、出掛けて本当によかったと思いました。 「写植レポート」に当日の模様を掲載しましたので、よろしければご覧くださいませ。
折角の東京なので2泊3日し、10日(金)も写植絡みでかねてからお会いしたかった方と初めてお目にかかったり、以前催しでお世話になった方と再会したりしました。
11日(土)は午前に印刷博物館へ。写真植字に関する展示が文字盤と原理を示す模型だけって……。10年近く前に友人と行ったときには稼働しない「SK-3RY」辺りが展示してあった気がするのは記憶違いでしょうか?
午後からは阿佐ヶ谷美術専門学校で開催された講演「タイポグラフィの世界」でフォントワークスの藤田重信さんのお話を聴講するなどして、写植や書体づくしの3日間でした。
3日間の行動を共にした同行人さんにはたいへんお世話になりました。写植や書体についての想いを分かち合い、活動の糧になりました。本当にありがとうございました!
2014.1.5(日) 22:45 849 穏やかなお参り日和
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
本年も亮月製作所・亮月写植室をよろしくお願いいたします。
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【文字関係】昨日、名古屋で一番大きいと思われる例の書店に寄る機会があったので、あの本を探してみました。そう、正木香子さんの『本を読む人のための書体入門』です。
三省堂書店名古屋髙島屋店、「文庫・新書・ノベルズ」の棚の島に平積みにしてありました! 十数冊ぐらい! 売れて減っている形跡がありましたよ!
この本の第三章がですね、わた(本の内容に触れるため自主規制)なんですよ!!
表紙買い(猫帯買い?)で間違いないですので、ひとつよろしくお願いいたします。
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【日録】同じく4日、上の書店に寄った後で、ちょっと離れた街へ年始のお参りに。
元日には雨だった天気予報はすっかり好転していた。風は強いけれど寒さは厳しくない、晴れ時々曇りのお参り日和である。
この街で一番大きい神社だという。三が日を過ぎ、もみくちゃになるような混みぶりではなくほっとした。私は子供の頃から決まりきった所へしか初詣に行ったことがないので、大きな神社を訪れていつもよりも晴れがましくて清々しい気持ちになった。
おみくじを引いたら吉だった。2日に行った初詣では大吉だった。内容はどちらもたいへん前向きで、なおかつ自分次第というもの。幸先の良いスタートを切ることができた。
一眼レフに“相方レンズ”である「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」を装着して持って来ていたので絵になる場所で撮り初め。新年からいい写真が撮れた! 自分が被写体のときの写真はピンぼけだったので、撮ってもらうときに設定変更を忘れないようにしなければ。そして、今回も見知らぬ人から「シャッターを押してください」と声をかけられた。全身から何かそういうものが出ているのかも知れない……(笑)。
お参りをして、景色を見て、色々な話をしてという穏やかな半日を共にしてくれた同行人さん、ここを見ているかは分かりませんが、寒い中本当にありがとう。
(BGM:湯川潮音『濡れない音符』/2013年作品)
2013.12.31(火) 12:10 848 現像液があたたまる前に
【亮月写植室】「写植レポート」に「ミニレポ・写真用印画紙を写植に使う」を掲載しました。執筆の経緯は写植室日報にて。
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2013年最後の日となりました。
今日も手動写植機での印字が控えています。写植室の室温は3℃。冷えきった現像液を温めています。温まって印字に取りかかる前に……
亮月製作所・亮月写植室にとっての一年を振り返ってみます。
1月から3月にかけては丸3ヶ月を費やしての動画(イラスト複数枚+楽曲の耳コピー)制作。亮月製作所創立15周年。これまで細々と続けてきたことについて、ようやく地平線に立てた思いでした。
5月には廃棄間近の貴重なモリサワ製手動写植機の最期を取材するため熊本へ。幸福な“写植屋さん”の姿と、それを遺すことができない遣る瀬なさを強く感じました。
6月は写植展「moji moji Party No.4
写植讃歌 ~mojiから伝わる音色~」へ。「写植を遺していくためにはどうしたらいいと思いますか?」と投げかけられ、今後取り組まなければならない課題に既に直面しているという現実が胸に突き刺さりました。
8月には台湾から遠方遙々写植室のご見学。海外の写植はどのような状況であるかを知ることができた、貴重な国際交流でした。
秋からは写植展「moji moji Party No.5
写植讃歌」の準備で株式会社文字道の伊藤さんへの協力をさせていただき、12月には成功裡に写植展を終えることができました。
また、生産終了が発表された写植用印画紙に関しても、印字という観点に於いては黒白写真用の印画紙で代替可能ということが実験によって確かめられ、写真植字の歴史がここで幕を閉じることはないことも明らかにすることができました。
総じて、年中安定して濃く活動ができたと思います。
そして、ただ好きでやってきたことが実は人に必要とされているのではないかと感じた一年でもありました。以前から「亮月製作所(写植室)は写植を愛する方々の想いで出来ている」と書いてきた、その通りのことです。それが目に見えるものとなって、言葉となって、私の前に立ち現れてきました。
写真植字について正しく記録し、記憶とともに後世に遺したい。その想いをできるだけ多くの人と分かち合えるよう、来年も前進していきます。
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さて、ここからは管理人自身の為の記録目的が9割です。やや重い話ですので、どうしても興味のある方だけお付き合いくださいませ……。
一つ一つの出来事が意義深くて濃く、そのようなことが次々と畳み掛けるようにしてやってくるような一年でした。良いこともそうではないことも容赦なく真正面から押し寄せ、それに対する自分の振る舞いを問われているような印象でした。
今年関わりのあった物事や人は「今迄の流れだとこんなもんだろう」と思っていたものを根底からひっくり返して、「本当はこれなのです」とより前向きで納得のいく方向へと確信することができるもので、自分が根拠なく定めていた領域を超えるようなものでした。
それらの出来事と関わり解釈していくのと並行して、深く感じ入る作品に出逢うなどして、「自分が本当に大切にしているものは何か」という課題について答えが見え始めているようにも思いました。
今年の当初に自分が持っていた考え方の多くを覆してしまった。これまで選ばなかったことに対して遠慮していた分だけ失っていたものがあったことがよく分かりました。それと共鳴するかのように、置かれている境遇や身の回りの物も変わっていきました。周りの人も、とてもあたたかかった。
自分の汚い面も随分見ることになりました。どうするのが最善で本心はどうしたいのかを分かっているのに、ひねくれた心が邪魔をする。つまらない意地を張ったり疑ったりぞんざいに振る舞ったりしたことで、迷惑をかけたり相手に悲しい思いをさせたりすることもありました。
負の感情は自分が真剣に取り組んでいないから湧き上がるものです。そんなものを相手にぶつけたところで何も前進しません。全部自分に還ってきます。そういった出来事を通じ、自分が大切にされていない(と分かる)ことが人間にとって一番辛いことだと思い知りました。
一言で言えば「今迄になくとてもいい一年だった」ということになりますが、そこには常に真摯さの度合いが付き纏いました。いい加減に扱えばそれだけの結果しかないし納得もできない。調子に乗ったり慢心したりすれば必ず腰を折られます。毎日を丁寧に、相手を大切に生きるしかないと思っています。
来年はどのような一年になるのでしょうか。自分のことであっても無責任なことは言えません。未来の自分から見れば、今の自分にはよりよい一年にする責任があるのです。一年後、感慨深くその年を見送ることができるよう、前進していきたいと思います。
2013年、一年間ありがとうございました。
2013.12.24(火) 23:59 847 穏やかな気持ちで
【日録】日々の何気ない言動のやり取りが積み重なって、「この人は信じることができる」と思うようになる。その思いが更に積み重なったとき、その人のことが大切だということに気付き、誠意を持って応えたいと思うようになる。気分が穏やかになり、同時にとても引き締まる。
相手の人となりを見て何となく直感で分かるものだけれども、今日もそういう人がいることについて有難いと思った。
2013.12.23(月祝) 23:00 846 逆境に見付けた嬉しさ
【日録】Nさんが講師をしているウクレレ教室の発表会ライブに参加するの巻。
Nさんのお誘いでウクレレユニットのRさん、Uちゃんとともに参加。私はウクレレをかつて弾いていたが弾けなくなってしまった身なので、これまでと同じ楽器で伴奏をお手伝いした。
今回は同じくウクレレ奏者であるPさんも参加。今までに何度かお目にかかっているが、お話したのは初めてだった。
ウクレレ教室の生徒さんは約半年で何曲かを仕上げているとのこと。本当に好きで喜んで自主練習する人達ばかりだそうで、Nさん直伝の技術的な指導もあってか半年前に弾けなかった人達とは思えないような滑らかな演奏だった。
Pさんはさすがの本職、ジェイクシマブクロばりの早弾き冴え渡るすばらしい演奏だった。MCも面白く、次に自分が演奏を控えていることを忘れて楽しんでいた。
自分達の本番。RさんとUちゃんがウクレレでNさんがベース。私は例によってカホンを叩いた。この組み合わせは安定感があって、演奏していてとても気持ちがいい。思いがけずアンコールを頂き、急遽演奏したのは定番『サザエさん一家』。誰でも知っていて演奏する側も楽しい、一粒で二度美味しい曲だ。
私は弦楽器を演奏することができない。だからリコーダーやカホンばかりを演奏しているのだが、今回は更に、自分以外全員ウクレレ持参という最大の逆境で心細かった。しかし生徒さんが小型カホンに興味を持ってくださったり、「カホンの叩き方を教えてください!」と言われたり、帰りの電車でPさんに「違う楽器を演奏する人がいるから音楽が引き締まるんですよ」と言っていただけたりして嬉しかった。自分は自分のやり方でいいんだ。……だけどちょっと、ウクレレを再開してみたいな。
2013.12.22(日) 20:32 845 不毛の地にも種を蒔こう
【文字関係】「リンク→書体の考現学」に「フォントストーカー」を追加しました。
名古屋在住のデザイナー・神澤ゆきえさんが、フォントに対してストーカーのようなフェティシズムを発揮しているブログです。新しいブログではありませんが、ずっと気にかけていたのにリンクし損なっていたもので。
文字文化不毛の地と呼ばれる名古屋に於いて、神澤さんのフォントに対する溺愛ぶりは貴重です。更新頻度は少ないようですが、読み物としても面白いのでぜひご覧ください。
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【文字関係】大日本印刷株式会社『一〇〇年目の書体づくり』と小塚昌彦『ぼくのつくった書体の話』を買いに行った、名古屋で一番大きいと思われる書店にて。
正木香子さんの『文字の食卓』。発売日には手許にあったのですが、どうしても気になってしまうんですよね……。
デザインの棚を念入りに探しても見付からなかったので書籍検索をかけたら、置いてあったのは「時代小説・文芸評論」の棚でした。1冊だけでしたが見付けた時は嬉しかったです。
三省堂書店さん、デザインの棚にも置いておいてください! その時は是非平積みで。名古屋の方にももっと読んでいただきたいのです。
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【らくがき】漫画『神戸在住』より“かつらっち”こと辰木桂。
小さな齣の時、かつらっちがこんな感じに汗を飛ばしながら恐縮するのがお決まりのパターンで可愛いのです。『ぼのぼの』のシマリスくんみたい。いぢめないよぉ。
この漫画の絵柄はこのような素朴な感じで、そこが実にいいのです。私が描く絵柄もそうですが、自らの可愛さを自覚しているような“萌える”系統ではないものが好きなようです。
(BGM:『The Beatles』(ホワイト・アルバム)/1968年作品、天地総子『天地総子大全〜フーコのコマソン・パラダイス』)
2013.12.21(土) 23:59 844 磨いて輝く満天の星
【日録】(22日記録)写真サークルの忘年会の日。
集まったのは最大で8人。時間の都合で途中で抜ける人もいて、いつもより少し静かな一年の締めくくりとなった。
お土産にと持って行ったお菓子の詰め合わせが、二度目ましてのMちゃんに「○さん女子力高いですね! 女の子こういうの喜びますよ! どこで知ったんですか!?」と思いがけず好評だった。こんな事は決して言われない野暮な人間だと思っていたのに、知らないうちに女子力をつけていたようだ。いい女子になれるようもっと磨きます!(←何かが違う)
今回も例によって楽器を持ち寄り合奏が始まる。そんな年の瀬も、もうすっかり自分の中で風物詩になっていた。数年前、そんな仲間が欲しいと心の底から思っていた自分に見せてやりたい。本当に有難い繋がりだ。きっかけになったN嬢には心から感謝している。ここは読んでいるかは分からないけれど……。
あれやこれやと楽しんでいるうちに終電間際の時刻になっていた。忘年会を終えて外で空を見上げたら満天の星。その輝きを分かち合った。最後の最後まで良き一日だった。
2013.12.19(木) 21:38 843 「好き」以上の責任
【事務連絡】亮月写植室から亮月製作所へのリンクを全て廃止しました。
管理人の気分的なものではありますが、亮月写植室は写真植字に関する研究発表の場、亮月製作所は趣味の一環というようにはっきりと切り分けることにしました。
「写植讃歌」以来、自分にとって写真植字とはどういう存在であるかを改めて考えているのです。
今回の催しでは、写植を遺し多くの人に知らせていくことについてある程度牽引する立場にあることを思いがけず自覚させられることとなり、自分の立ち位置やその表現の仕方を明確にする必要があると感じたからです。
オペレータをしている・していた、写植機や周辺機材の開発をしていた、写植用の書体を作っていた……といった写植に関わられた方達の想いや功績を後世へ正しく引き継ぐこととはどういうことかについて、「好きでやっていること」以上の責任をあの会場でずしりと感じました。
好きでやっていることには間違いないのですが、写植と聞くと居ても立ってもいられず、「何とかしなければ」と突き動かされるような感覚もあり、もはやこの活動は自分の為だけのものではなく、趣味ではないのかも知れないと思っています。それでもやらなければならないのです。
イラストや音楽、書体鑑賞などの趣味は今後も亮月製作所で好き勝手にやっていきますが、写植だけはやはり別格です。誰に対しても「こういうことをしている」と臆せず言えるものでありたいですし、そう言えるものだけが本物だと思っています。サイトに対する考え方も同じです。真剣に取り組んでいるものに関して、表現したものが恥ずかしいと思うようなものであってはなりません。
そういった考えにより、亮月製作所と亮月写植室のサイトを、亮月製作所からの一方通行としました。組織やサイトの構造としては何も変わりませんが、管理人の意識を表すものとしてこのように変更しました。悪しからずご了承くださいませ。
(BGM:PoPoyans『tink pank』/2012年作品)
2013.12.12(木) 18:35 842 写植文字盤のできるまで
【写真植字】書体デザイナーである今田欣一さんが、写研在籍時代の文字盤製造工程について詳しく書かれています。
→[文字の厨房] 特別編 写植文字盤のできるまで
これまで詳しくは語られることがなかった写研に於ける文字盤の作り方。「写植讃歌」の会場でも「文字盤はどうやって作るのですか?」といった質問を頂くことが多々ありましたが、私も詳細は知りませんでしたので、たいへん勉強になりました。
写研の中の人だった方ご本人による貴重なお話です。ぜひお読みください!
2013.12.8(日) 21:30 841 写植展終了!
【日録】2日(月)から7日(土)まで表参道画廊にて開催された「moji moji Party No.5 写植讃歌 Part 2」のため、6日から8日まで泊まりがけで取材に行ってきました。
今日会場での撤収作業を終え、無事帰ってまいりました。
12月3日付の朝日新聞夕刊等にこの展覧会のことがカラー写真付きで掲載されたためか、予想以上に多くの方が来場されている印象でした。
こっそり取材に来ているだけの予定でしたが、大盛況により人手が足らず、私も急遽写真植字機についての説明を行うなど表立って関わらせていただくこととなりました。印字体験に於きましては手際の悪さにご迷惑をお掛けし、お会いした方々とも充分にお話する時間を取ることができなかったなどたいへん多くの失礼があったと思います。何かと至らぬ人間で申し訳ありませんでした。伏してお詫び申し上げます。
SPICA-AH による写植印字体験では、写植機を実際に操作して印字していただくだけでなく、おそらく日本初であろう写植の現像工程の体験もしていただきました。暗室に入って写植文字が印画紙に現れる様子を観ていただき、驚きと感動の声を何度も聞きました。
また、会場に掲げられた年表「写真植字のあゆみ」に書かれた来場者様の沢山の写植への思いを感じ、写植を知らなかった方もかつて深く関わられた方も同じ場所で直接話すことができ、写植を通じた交流の場となっていたこともとても嬉しく思いました。
この写植展は主催の株式会社文字道・伊藤義博さんの写植に対する熱意と深い愛情による所が非常に大きく、会場の表参道画廊様をはじめ搬出入や会期中に関わられた方、そして来場された方々一人一人の写植への思いや興味によって日毎に素晴らしい展覧会が作り上げられていったという印象でした。伊藤さんをはじめ会場で関わらせていただいた皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。
ある会社で廃棄される筈だった SPICA-AH。
十数年振りに目を覚ましたら、そこには多くの人の笑顔があった。
この写植機が本来の役割を果たすことはもう二度とないだろう。
しかし、このような形で人の役に立つということも、
この機械にとって幸せな晩年なのではないかと思った。
6日間、お疲れ様でした。
★お願い
会場で写真や動画を撮影いただいた際に私が写り込んでいる場合、当方の活動の都合上、ネットその他の媒体での顔出し(顔など個人が特定できる状態で掲載すること)はご遠慮いただきますよう切にお願い申し上げます。
★レポートリンク
→「写植讃歌Part2展」に行ってきた(暇なおじさんさん)
→写植讃歌Part2 に行って来ました(Mojinoさん)
→写植体験(印刷博物館ブログ いんぱく通信)
※レポート上の私の発言の文責は筆者様にあります。ご了承ください。
写植展のお知らせ |
2013.11.12 掲載
今年の初夏に好評を博した写植展が大きくなって帰ってきた!
(無事終了しました。ありがとうございました!)
◉moji moji Party No.5 写植讃歌 Part 2
会期 2013年12月2日(月)〜12月7日(土)
会場 表参道画廊+MUSEE F
東京都渋谷区神宮前4-17-3 アーク・アトリウム B02
時間 12:00〜19:00(最終日17:00まで)
オープニングパーティ 12月2日(月) 17:00~
企画・主催 株式会社文字道
→moji moji Party 公式サイト
「写植機(スピカAH)、写植文字盤、写植機の部品(主にレンズ)と写植文字盤で創った作品等を展示販売いたします。」とのことです。
今回は稼働する手動写植機「SPICA-AH」が展示されます。
生きた写植に触れることができるたいへん貴重な機会です。ぜひお出掛けください。
→表参道画廊+MUSEE Fの告知ページ
写植印字体験の予約もこのページからお願いします。
→「moji moji party No.4」の写植レポート |
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2013.12.1(日) 23:00 840 真剣勝負、破れたり
【日録】写真サークルのメンバーの有志4人でリコーダーを合奏しようの日。
課題曲が決まり、今回はかなり本気度の高い練習が予想された。そういう訳で午前中は、午後からの本練習に対して同じく不安を持つメンバーと下練習をした。ゆーっくり楽譜の音を拾うところから始まり、ハモれる状態にまでなった。時間の半分ぐらいは好きな音楽探究の旅だったけど。それもまた楽しくてとても有意義だった。
午後は全員が揃い、合奏してみるだけでなく、楽譜を検討したり今後どうしていきたいのかを考えたりした。課題曲も追加で2曲決定。私は途中で集中力が途切れたので人任せになってしまったが、力強く前進したように思う。ユニット名をそれぞれの名前の頭文字の組み合わせにしようと思ったが、組み合わせ具合によっては検索すると大変なことになるので提案はやめておいた。
午前から数えて約8時間の練習を終え、近くの飲食店で労をねぎらう。全く頭が働いていないのが自覚できるほどだった。午前で使い果たしてしまったのか、昼寝ができなかったからなのか(笑)。ともかくも、みんなごめんなさい。
音楽で精根尽き果てるというのは初めてだったかも知れない。確かに誰かと演奏するということに対してこれほど真剣に臨んだことはなかった。何事もそうであるが、本気で取り組むとはどういうことかがよく分かる一日だった。
2013.11.22(金) 23:00 839 同じ文字を名に持つ人は
【日録】8月の終わりに読み始めた『神戸在住』全10巻を読み終えてしまった。
正直に書くと、3巻辺りまで読み進めるのに2ヶ月弱かかった。賑わしくて大雑把な雰囲気(当時受けた印象)に馴染めず、内容の理解も進まず、何故力一杯薦めてくれたのか、よく分からなかった。
それでも「最後までにはきっと、自分が読みたかった作品だと感じるに違いない」と念じながら、重たい車輪を転がすかのように少しずつ読んでいった。読み進めるのが、大変だった。
勢いがつき始めたのは桂がどのような人となりかが立体的に分かり出してからだった。ある話を境に本作の印象はがらっと変わった。自分の根底にあるものを呼び出しつつ、桂の見聞きし感じている世界をそのまま味わうようになっていた。
(以降、話の内容に関わる記述があります。ご注意ください。)
10巻最終話『「神戸より」』の127ページ、大学生活を振り返る中で、所属していたサークルについて桂は
「私は、人が心に秘めた悲しみと優しさを教わりました。」
と語る。本作の軸となるものを明確な言葉にできないでいたところに答えを貰ったような気がして、本当にそうだなぁとしみじみ思った。
人の振る舞いや気持ちは本意が分からない部分が大半で、知りたいと思っても知ることはとても難しい。それでも何かをきっかけに深く知ることがある。その様子を本作で何度も観て、その度に心を動かされた。
10巻89話『鈴木さんと私とないしょ話の夜。』の、鈴木さんが桂の家に泊まりに来た夜のエピソード。最後の最後のあの場面、作中で二人が溜め込んでいたものが一気に堰を切る。自分はどうしてこんなにもこういうものに弱いんだろうと思うほど布団の中で悶え泣いた。
作中にはそのような話が沢山ある。あまりに多過ぎて記憶を呼び出せず、感想を仔細に語らうことは難しいかもしれないが、取り敢えずこの辺にしておこう。
9巻の最後、描き下ろしの『プロムナード・後奏曲』に、好きな音楽について桂が思うことが書かれている。
「『その人が好きな曲、というのは、その人の心の奥底に流れている曲』今なお強い説得力を持つこの言葉、我が親友羽生ちゃんのものである。」
「『好み』という視点からその人の心を推し量ることは多いけれど、『食べ物』や『服』や『色』等とはちがい、『好きな音楽』には、もっと複雑な そう、〝心の積み重なり〟みたいなものがよく表れると思う。」
と。
その通りだと思う。
好きな音楽が共通する人とは、どこか無意識に共鳴するものを感じる。その人が辿り着いた好みの傾向は短い時間で作り上げたものではないだけに、心の奥で大切に培ってきたものであり、好きな音楽が共通するということは培ってきた心を通わすようなものなのだと思う。もし共通していなかったとしても、その人の好きな音楽を通して人柄そのものを感じているようで、とても興味深い。
9巻の描き下ろし『午睡・間奏曲』。桂が劇団の公演の準備で BGM にしているのは遊佐未森さんの『空耳の丘』だった。そして徹夜明けの桂が帰宅途中で降りた桂駅の街で彼女の頭をずっと巡っていたのは、『地図をください』。
あぁ、と思った。
桂を通じた世界を観るのと同時に、自分の持っているものを取り出しては桂に託しているような感覚があった。だから本作を読むと、とても照れくさい。けれども、何故友人が強く薦めてくれたのかがとてもよく解った。薦めたい人であったということも嬉しかった。『神戸在住』に出逢えて本当によかった。一生大切に持っていたい。
(BGM:遊佐未森『空耳の丘』/1988年作品)
2013.11.17(日) 23:00 838 ほろ苦い始動
【日録】名古屋の新栄で開かれたライヴに出演。
Nさんからのご縁で、Rさんも含め3人で長らく構想していた新ユニットの初めての発表の場となった。出演者は殆どが音楽を生業としたり主たる活動にしている人達で、しかも出演者があまりにも多く、観客はほぼ全員演奏者だという。逆風が吹く中での挑戦となった。
曲目は久保田早紀『異邦人』、戸川純と東京放送児童合唱団『ラジャ・マハラジャー』、宇野ゆう子『サザエさん一家』。私はリコーダーとパーカッションで参加したが、『異邦人』の難易度がとても高く、イントロの16分音符や中盤の転調は当日の今日も何度もゆっくり練習した。練習やリハーサルの中でUちゃんも鍵盤ハーモニカで加わることになり、殆どぶっつけで演奏してもらうことになった。練習しても「何とか吹ける」状態だったので、フォローがとても心強かった。
本番。『異邦人』はやはり緊張した。大きな失敗もなく吹き通せたと思ったが、歌詞が終わる辺りの見せ場のフレーズが丸ごと抜けた上、冷えたリコーダーを吹いたことによる結露で音が出なくなっていたのがとても悔やまれる。あとの2曲は難所を越えたからか落ち着いて出来た。ウクレレ、鍵盤ハーモニカ、ベース、パーカッション or リコーダーという組み合わせは音のバランスが良くて分厚く、演奏しているという実感があった。これもベースでいい音をくれるNさんのお蔭だが。そしてRさん、Uちゃんの安定した演奏。支えられて何とか完走した感がある。3人ともありがとう。
他のグループにもリコーダーやカホンを演奏する人が多くいて、自分の演奏のまずさが恥ずかしかったが、帰宅してから録音を聞いたら自分だけミスの多さが際立っていて更に恥ずかしくなった。演奏の質はおおよそ練習量に比例するので、自分だけ練習が圧倒的に足りないということだろう。次に誰かと演奏する機会があったら下練習を念入りにしたい。
色々と自分に対して課題を残す新ユニット始動だったが、何が足りないのかをはっきりと示した一日でもあった。ただ楽しむだけではない、次の段階に入ったような気がしている。
2013.11.16(土) 23:00 837 ぎこちない感覚
【日録】某自動車ディーラーにて納車の日。
山間部ではハイブリッドの意味はあまりないことと、単純にマニュアル車に乗りたくて仕方がなかったことから、予算に合う幾つかの候補の中から車を選んだ。
初代プリウスと引き換えに乗ることになったのは普通のガソリン車、なおかつマニュアル車である。選んだ車種のマニュアル車は「この地域ではお客様の他に1台しか売れていません」とのことだった。ある意味珍しい車を選んでしまった。
午後、いきなり犬山の成田山へお祓いの為に遠出。
職場で乗っていたハイエースの経験があるから大丈夫だと思っていたが、ディーゼル車と違いトルクが細いガソリン車での発進は苦労した。ハイエースではしなかったエンストを何度かする羽目になり、嫌な汗をかいた。無事にお参りを済ませての帰り道、慢性的な渋滞地点を通りマニュアル車の辛さを痛感。それも織り込み済みでこの車を選んだのだけれど。
ただ、走りは初代プリウスと比べ物にならないくらい気持ちのいいものだった。カーブでふわふわすることはなく安定していて、歯を食いしばって登った急坂も楽に登ってしまう。そしてエンジン音がプリウスより静かであることに驚いた。変速のタイミングが判らなくて、ラジオの音を小さくしてエンジン音を聞くほどだった。
犬山往復の燃費はこの車の計算では14.7km/ℓ。まずまずである。
まるで初対面の人と話したようなぎこちない感覚。少しずつ知っていき、少しずつ馴染んでいけたらいいと思う。きっと初代プリウスのように長い間の大切な相棒になっていくのだろう。
2013.11.15(金) 23:00 836 さよならプリウス
【日録】9年半近く乗ってきた愛車の初代プリウス引退の日。
9月下旬、停止中に追突事故に遭った。幸い怪我はなく、車も自走可能な状態だった。しかし示談を進めるうちに判ったのは、車の価値よりも修理代の方がかなり高いということだった。
プリウスには長年の使用による持病があった。エアコンを入れて低速運転をすると、アイドリングストップをするかしないかの速度でハイブリッドシステムが葛藤し、コンプレッサー始動時に激しく振動するという恐ろしいものだった。同乗者に不安がられることも多々あった。
そして決定的だったのは、高速道路の某峠でアクセルをどんなに踏み込んでも時速60キロ以上出ないということだった。確かに非力で、通勤帰りの急坂ではいつも歯を食いしばって運転していた。遠出はストレスでさえあり、なるべく鉄道で移動するようになっていた。
購入当時はハイブリッド車が珍しく、電気で走る感覚が“未来の車”のようで気に入っていた。「これからは普通のガソリン車には乗らない」と公言したこともあった。中古だったが新品同様の内外装。やっかみなのかドアに開閉痕をよく付けられ、遣り場のない怒りに震えたこともあった。
しかしいつの間にかハイブリッド車は世間が一番よく選ぶ“普通の車”になっていた。天の邪鬼な私にはそのことが気に入らない節もあった。現行プリウスのデザインが恰好悪い(主観)こともあって、ハイブリッド車に対する興味を次第に失っていった。
そして山間部在住ではハイブリッドの恩恵をあまり受けられないこともこの9年間でよく分かった。というのも、家人のガソリン車は同等以上の低燃費だったからだ。上り坂では200kgのバッテリーは重荷でしかなかったのだ。
そういったこともあり、自動車を新調することにした。
車検を受けてあまり経っていなかったから、随分引退が早まってしまった。しかし車を買い替えたいと思っていたのも事実で、以前から友人知人に相談したりもしていた。
事故の前日には自動車保険の話をしていた。事故に遭った時どうなるかという具体的な話もしていたので、事故当日は自分も話し相手だった方も「引き寄せてしまった!」ととても驚いた。「新しい車に換えなさい」という強いメッセージだと解釈し、すぐに行動に移した。修理されず傷痕を後続車に晒し続ける満身創痍の“未来の車”が不憫でもあった。
そして2ヶ月が経ち、今日最後のご奉公。冬の始まりの冷たくて静かな夜。
1999年式。オドメーター19800km→102500km、生涯燃費15.5km/ℓ。メインバッテリー無償交換2回。色々あったけど、ちょっと変わったいい車でした。長い間本当にありがとう。ご苦労様でした。沢山の思い出とともに。
2013.11.10(日) 23:00 835 建設的な半日!
【日録】来週あるライヴに出演するとはいうものの、演目の難易度が高く不安だったので、午後から共演するNさんと練習した。
10月13日の練習で演奏の内容を決められなかった部分があったので、この練習で問題点を一つずつほぐして形にしていくことができた。自分が弾くべきものが確定したら、後は弾けるようにするだけだ。と言ってもそれが一番難しいのではあるが。
ベースも持参していたので弾き易い弾き方と重要な初歩練習の仕方も教えてもらった。「楽器は階段状に上達する」という話を聞いたので、これからの励みにしたい。
Nさんは独学だというが、その腕と感覚は確かなものでいつも頼りにしている。建設的に事が運んだ半日。私の心の中にあった混沌とした不安は大分払拭された。ありがとうございました!
*
【日録】昨晩の寝しなに『神戸在住』7巻を。
布団の中で何度も身を捩り、歯を食いしばりながら読むことになった。
“かつらっち”が他人には絶対に見せたくないだろうものや、他人が決して見てはいけないものを全部見てしまった。そしてそれは、自分の心の奥の方に厳重にしまってある筈のものでもあった。彼女の状況ほど残酷なものではなく、内容もやや異なるにしても、だ。その封印を何度も何度も抉じられて、中身が全部外へ出てしまったような気持ちになった。
かつらっちが当時の状況や心境を一人称で描いているとすると、一齣一齣には深い意味が込められている筈だ。7巻に描かれているものや言葉に込められた彼女の想いがどのようなものであったかを推し量ると、とても遣りきれない。
10月13日の投函で「かつらっちがいい子過ぎて悶える」と書いた。そんな彼女の心をここまでずたずたにしなくても、とも思った。しかし、現実はやはり残酷なものであり、理想像だけで出来ている訳では決してない。かつらっちが自分自身を追い込んでいってしまう後半。絵空事の単なる“いい子のかつらっち”だけを見せるのではなく、悲しみ苦しむ姿もまた読み手が辛くなるほどにまで丹念に描き出していることが、辰木桂という人格全てを表現しようとしているように感じて好いと思った。彼女の独白や夢現(ゆめうつつ)の時の心象風景に戦慄した。もう何だか、的確な言葉が見付からない。
最後の最後、かつらっちが声を挙げて泣く場面。読みながら限界まで我慢してきた涙がとうとう零れた。作中と同じように、私の心も穏やかさを取り戻した。
1話分だけ読んで早く寝ようと思っていたら、夢中になって1冊丸ごと読んでしまった。時計は翌1時を廻っていた。深い安堵と抉じられた封印のひりつきを感じながら眠りに就いた。
2013.11.4(月振) 22:32 834 それは突然やってくる
【音楽制作部】帰宅後に荷物を片付けて寛いでいたら、突然曲を丸ごと思い付きました。
忘れてしまわないように頭の中でエンドレス再生しながら iBook を起動。MIDI シーケンスソフト「MIDIGraphy」が Classic 環境でないと動作しないので、11年前の Mac を現役で使っています。故障する前に代替のソフトを見付けなければなりませんが、このソフトの軽快な動作は捨て難いのです。(と思ったら MacOS X 用の軽いソフトを見付けてしまった……「MidiSwing」。)
1時間ほどかけて全体のメロディーとベースが完成しました。骨格ができればあとは編曲を作り込んでいけばいいのですが、私にはそれが最大の難関です。曲を思い付くときは必ず編曲込みの完成形が頭に浮かぶのですが、いざ Mac に向かって打ち込んでもネット上に出回っている自作曲のような完成度に持っていけません。技術的な問題なのか、感性がないのか。
実はもう1曲、メロディーと詞が完成していて編曲で難航しているものがあります。『いねむりアナログ・ナール』という歌なのですが、完成はいつになることやら……。
2013.11.2(土) 23:00 833 文届く
【日録】遠方の友人から文届く。
帰郷していた妹が郵便受けに見付け、「○○さんから届いてる。ここに置きっぱなしでいいの〜?」と訊くものだから、慌てる必要はないのにわたわたしてしまい、部屋に持ち帰った。
筆跡は人柄を表すと私は思っている。手描きの文章を読んでいると、相手がここにいてその声で語りかけているような錯覚にいつも陥る。手紙はやはり特別だ。
村上ユカさんのアルバム『鳥と魚』が先日発売されたという。
6日には湯川潮音さんの3年振りのアルバム『濡れない音符』も発売される。
どちらも既に懐かしい音楽になりかけていたところに現れた、とても久し振りの新譜。どんな世界を聴かせてくれるだろうか。じっくり聴き込みたい。
2013.10.30(水) 23:00 832 おかえりの街
【日録】(11月2日記録)29・30日と関西へ出張。
その解散場所がギターユニットの2人が住む街だったので、打ち合わせも兼ねて一緒に夕食に出掛けた。
お互いの平日の姿を見るのは初めてだった。それぞれに地に脚の着いた日常があるというのは当たり前のことだけど、それを垣間見ることができたのは、嬉しいというか、照れくさいというか、そのようなこそばゆい気持ちだった。
打ち合わせはというと殆どできずじまいで話下手の自分が悔しかったりもしたが、こうして日を置いて振り返ってみると、何でもないことに談笑できる時間を過ごしたこともまたいいじゃないかと思えてきた。遠くの仕事を終えて帰ってきて、平日には見ることができない筈のよく知った顔を見て、一番ほっとしたのは自分だったからだ。「おかえり」と言ってもらえたような気がして。
気質の異なるMちゃんとKちゃんが醸し出すいつものバランス。3時間弱ありがとう。お疲れ様でした。
2013.10.27(日) 23:00 831 新陳代謝
【日録】写植室を大幅に整理して以来、身の回りの物の整理や新旧交代をどうしてもしたくてたまらなくなった。土日の2日間をかけて実施することにした。
整理をしたり新しい物を迎えたりするから“いいことが起こる”というものではないし、ましてそれを期待するようなものでは決してない。新陳代謝したいという衝動が抑えられないだけだ。
この10年間で持ち物は6分の1に減った。それでも物への執着は多い方だと思っている。だけどその執着を捨てる必要は全くない。大切にする物だけが近くにあればいい。それだけのことなのだ。
2013.10.22(火) 23:00 830 自分のものではない
【日録】とても嬉しいことがあった。
自分の意思だけではどうにもならないこと。
縁に甘えて調子に乗らないこと、ありのままを受け止めること、欲をかかないことが大切だと思う。無意識のうちに自分から出ているものに相応しいものが現れているのかも知れない。こういう時は心していきたい。
2013.10.20(日) 23:00 829 広い四畳半
【亮月写植室】写植室に溢れていた物品を大幅に整理しました。
梱包用に取っておいた段ボール箱や梱包材も全て資源回収へ。
設立当時のような“広い四畳半”が取り戻されました。副次的に自宅の部屋もかなり広くなっています。
同時に文字盤の索引も完成し、多書体の印字も楽になりました。ようやく印字と研究に専念できます。
亮月写植室本来の姿が完成しました。ぜひ見学にお越しください。
「富士写植ペーパー」ラストオーダーのお知らせ(受付終了) |
2013.9.10 掲載
富士フイルムの写植用印画紙が生産終了とのことです。
・PL100WP 23.0cm×27.0cm 100シート 10,830円(税別)
・PL100WP 25.4cm×30.5cm 100シート 13,460円(税別)
【ラストオーダー期限】
富士フイルム宛て代理店の発注期限
2013年10月15日(火)まで
【納 期】
2013年12月~2014年3月を予定
発注は富士フイルムの販売代理店にて。
(取引がない方は亮月写植室にご連絡ください。ご紹介します。)
写植機の修理等でお世話になっている方から富士フイルムの上記情報を頂きました。ありがとうございました。 |
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2013.10.13(日) 23:00 828 始動
【日録】長い間構想だけあった音楽ユニットが念願叶って来月ライヴに出ることになり、今日はその練習でメンバーが集まった。とは言ってもいつもの面々である。
ライヴ慣れしている二人に対し、私はたまに出させてもらっているという感覚だったが、今回出演するのはレベルの高いグループばかりと聞いている。実際に自分達の演目も難易度が高く、私だけは今日中の完成には至らなかった。それでもやるしかない!
一方でベースを持参していたので、他の人の演奏に合わせて弾いてみた。まだ原曲の0.6倍速が限界だが、自分の弾いた低音が気持ちよくみんなの演奏を支えたと分かった瞬間はとても気持ちよかった。
今日集まった全員の携帯電話。写真サークル絡みではこのようなシンクロニシティ(大袈裟か)がよくあってとても驚かされる。それぞれがそれぞれの理由で普通の携帯電話を使っているだろうに、こうして集まってしまうのは不思議だ。まあ、私の電話機が一番古いんでしょうけどね!
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『ヨコハマ買い出し紀行』を読破したので、『神戸在住』を再開。“かつらっち”がいい子過ぎて悶える。擬音の「ぴゅうっ」「ぱたし」等や独白の筆跡にかつらっちの世界観を見出してしまい、自分の筆名に「桂」が付いているのが何だか嬉しいほど。
3巻の後半、阪神大震災の話で自分の弱い所を突かれ、己の無力さを再確認したり、遣る瀬なくなったりした。ただ、現実を受け止め続けるという本作の視点は貴重で、『ヨコハマ』とは違う居心地の良さがある。寝しなに読むと自分と繋がりのある人が大勢夢に出てくる。
2013.10.6(土) 21:33 827 涙の理由
【日録】いつの間にか金木犀の香りが辺りに漂うようになった。色々な事を思い出す、あの香りだ。
先月全巻買い揃えた『ヨコハマ買い出し紀行』を寝る前に少しずつ読み進め、とうとう読破した。
作中時折、アルファさんが泣いてしまうことがある。
時間は幾らでもあるように見えて、実はあまりにも速く過ぎ、何もかもが変化していってしまう。
人間はアルファさんの寂しさを完全に取り除くことはできないけど、だからこそ、毎日の何気ない暮らしを共にすることを大切にできるのではないかと思った。
これ以上踏み込むと全てを吐露してしまいそうなので、心の中に大切にしまっておこう。
本作の存在を知って18年。長い長い年月をかけてやっとアルファさんに会えた。だけど、自分にとって相応しい時期に会えた。そんな気がする。
また5年、10年経ってから読み返したとき、その時の私はどのような境遇にいて何を思うだろうか。
現実は果てしなく厳しく険しいけれど。
2013.10.5(土) 23:25 826 amPlug ヘッドフォンジャック修理法
【日録】ベースの練習に使ってきた「amPlug 秋山澪モデル」が愛用に耐えかね、ヘッドフォンジャックから全く音が出なくなってしまいました。(→2012.3.7の記事参照)
ジャックがぐらぐらなので間違いなくハンダ割れです。メーカーでは本機の修理を受け付けておらず、新品も販売中ではありますが、たったそれだけでもう1本買うのは勿体ないのでハンダ小手を持っている友人に修理してもらいました。
本体を開腹するにはまず背面のフォンプラグの根元に1本だけあるねじを外します。乾電池も抜いておきます。
小さいマイナスドライバーで下部の継ぎ目をそっと抉じると爪が外れ、ヘッドフォンジャックが実装されている基板が露になります。
基板の裏面側。写真の左上と右上にそれぞれヘッドフォンジャックと外部入力(AUX)ジャックがあります。
ヘッドフォンジャックの拡大写真。黒い直方体から銀色の脚が出ています。これと基板がハンダで接着されているのですが、強い力が加わったり経年劣化したりすると剝がれてしまうのです(写真は剝がれた状態)。動作試験をしながら念入りにハンダ付けしてもらいました。
結果、何事もなかったかのように復活しました!
大きな力がかかることが予期される箇所を脆い設計にしているのは理解し難いですが、改善のしようがないので今後は優しく取り扱うことにします。外部入力にプレイヤーを接続してステレオ音声で曲を聴きながら演奏できるところが気に入っていたので直ってよかったです! 友人T氏、ありがとう! |